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ごすぺルを歌う人々の頭上を飛び交うオスプレイ
安倍自民党総裁誕生と徴兵制復活の危険
沖縄電力
2013年01月20日
沖縄電力が小型原発?
沖縄電力は全国十電力会社の中で、唯一原発を持っていない。だが、小型原発の研究に取り組んでいる。こ
のことは案外知られていない。東電福島第一原発事故後、地元では中止を求める声が上がっているが、沖電側
は継続する構えを崩していない。前沖電会長の仲井真弘多知事も古巣の方針を支持している。 (佐藤圭)
福島の事故後も研究継続
「電力の安定供給のため」
社民党沖縄県連合が四月、研究の中止を要請したが、沖電側は「電力の安定供給のために情報を収集したい」「導入の具体的な計画があるわけではない」と主張。議論は平行線をたどった。
七月の県議会一般質問では、同党の議員らが県の考え方をただしたが、仲井真知事は「今、事故が起こっているから、反射的に『ノー』という判断は先走り過ぎだ。
あらゆる情報を集めて、県民のニーズに応えられるように準備するのは当然のことだと思う」と沖電擁護に終始した。
会長だった知事も支持「幻想捨てられぬのでは」
沖電は仲井真知事が会長を務めていた二〇〇三年十二月から日本原子力発電(原電) に三十代の若手職員を派遣し、原電が研究中の出力三十万?四十万客の中小型原子炉の情報収集を開始した。
ピーク時の電力需要が百四十万磁程度の沖縄で、七十万稀以上の大型炉は身の丈を超える過大な投資といえる。
中小型炉であれば、選択肢になるかもしれないというわけだ。
石炭、石油に頼る沖電にとっては、電源構成の多様化や地球温暖化対策は年来の課題でもある。
〇九年七月に発表した同社の中長期経営計画には「小型原発の導入可能性の研究」という文言を明記した。
とはいえ、いまだに情報収集の域を出てはいない。現在も一人が出向しているが、社内に原発関連の部署やプロジエクトチームはないという。
広報担当者は「原電の業務に携わりながら、時代に沿った研修をしている。その都度情報を得ている」と説明する。
LNG利用で電源は多様化
電源構成の多様化も、原発抜きに実現しつつある。同社で初めて液化天然ガス(LNG)を燃料とする「吉の浦火力発電所」が一二年十一月から稼働する予定だ。
二〇年度にはLNGが発電電力量の約三割を占める。
原電広報室によれば、そもそも中小炉の実用化には例がない。中小炉は緩やかな電力需要の伸びに対応した電源計画が立案しやすく、初期投資が少なくて済む。
一方、基本的なシステム構成が大型炉と同じであれば機器を減らすことができないため、出力単位で見ると、大型炉に比べて割高になるのが欠点だ。
原電に職員を派遣しているのは、十電力では沖電のみ。海外研究生受け入れの実績もない。
原発事故以降も、実用化の見通しもない小型炉の研究が必要なのか。冒頭の野党の疑間は当然といえば当然だ。
社民党の崎山嗣幸県議は「沖電は『研究して何が悪い』と強硬だが、事故の前と後で状況は全く違う。研究を中止し、県民から疑念を持たれないようにするべきだ」と話す。
仲井真知事については「震災支援には力を入れているが、足元の原発研究を改める姿勢がない。電力会社にいた知事は、原子力への幻想が捨てきれないのではないか」と皮肉った。
参照
■沖電、原発研究を継続
(沖縄タイムス 2011年4月24日)
福島第1原発事故を受け、社民党県連(新里米吉委員長)は23日、中長期経営計画に「小型原子力発電の導入可能性の研究に取り組む」と掲げている沖縄電力(石嶺伝一郎社長)に対し、研究の中止を要請した。県連は「研究は止めるべきだ」と求めたが、沖電側は(研究は)原発の導入を前提としたものではないと説明した上で「考え方は変わらない」と研究を継続していく方針を表明した。
社民県連が原発の安全性をただしたのに対し、沖電側は「導入の具体的な計画があるわけはない」「電力の安定供給のため情報を収集したい」などと答え、議論はかみ合わなかった。
新里委員長や照屋寛徳衆院議員、山内徳信参院議員ら7人が要請、沖電側は大嶺満、大嶺克成の両常務らが対応した。
沖電は2009年、電力の安定供給や本土並み電気料金の実現に向け原発研究を同計画に盛り込んだ。04年から社員1人が原子力関連企業に出向し、情報収集している。
沖電側が「電力の安定供給、低炭素化社会に向けたサービスは必要だ」などと情報収集継続を繰り返し説明。県連からは「しゃくし定規の回答。深刻さの認識の度合いが薄い」との批判も出た。
■原発持たない沖縄電力、導入研究を継続
(朝日新聞2011年8月4日)
沖縄電力(沖縄県浦添市)は2003年から取り組んでいる原子力発電所導入に向けた研究を続ける考えを明らかにした。東京電力福島第一原発事故の影響で原発の新規立地は難しい情勢だが、当真嗣吉(とうま・つぎよし)会長は「やめる理由はなく、長期的視野に立って研究を続ける」としている。
沖電は電力10社で唯一原発がなく、ほとんどを火力やディーゼル発電に頼っている。このため電気料金は8月の標準家庭が7774円と全国一高い。また1キロワット時発電する際に出る二酸化炭素の量も0.9キロを上回り、10電力で最も多い。
沖電のピーク時の電力需要は140万キロワット前後だ。これに対し、最近の原発は1基で100万キロワット超の出力があり、当真会長は「導入は現実的でない」とみる。ただ、各国で出力の小さい小型原子炉の研究が進んでいることなどから、日本原子力発電(東京)に技術者を派遣して研究している。(大畑滋生)
沖縄電力は全国十電力会社の中で、唯一原発を持っていない。だが、小型原発の研究に取り組んでいる。こ
のことは案外知られていない。東電福島第一原発事故後、地元では中止を求める声が上がっているが、沖電側
は継続する構えを崩していない。前沖電会長の仲井真弘多知事も古巣の方針を支持している。 (佐藤圭)
福島の事故後も研究継続
「電力の安定供給のため」
社民党沖縄県連合が四月、研究の中止を要請したが、沖電側は「電力の安定供給のために情報を収集したい」「導入の具体的な計画があるわけではない」と主張。議論は平行線をたどった。
七月の県議会一般質問では、同党の議員らが県の考え方をただしたが、仲井真知事は「今、事故が起こっているから、反射的に『ノー』という判断は先走り過ぎだ。
あらゆる情報を集めて、県民のニーズに応えられるように準備するのは当然のことだと思う」と沖電擁護に終始した。
会長だった知事も支持「幻想捨てられぬのでは」
沖電は仲井真知事が会長を務めていた二〇〇三年十二月から日本原子力発電(原電) に三十代の若手職員を派遣し、原電が研究中の出力三十万?四十万客の中小型原子炉の情報収集を開始した。
ピーク時の電力需要が百四十万磁程度の沖縄で、七十万稀以上の大型炉は身の丈を超える過大な投資といえる。
中小型炉であれば、選択肢になるかもしれないというわけだ。
石炭、石油に頼る沖電にとっては、電源構成の多様化や地球温暖化対策は年来の課題でもある。
〇九年七月に発表した同社の中長期経営計画には「小型原発の導入可能性の研究」という文言を明記した。
とはいえ、いまだに情報収集の域を出てはいない。現在も一人が出向しているが、社内に原発関連の部署やプロジエクトチームはないという。
広報担当者は「原電の業務に携わりながら、時代に沿った研修をしている。その都度情報を得ている」と説明する。
LNG利用で電源は多様化
電源構成の多様化も、原発抜きに実現しつつある。同社で初めて液化天然ガス(LNG)を燃料とする「吉の浦火力発電所」が一二年十一月から稼働する予定だ。
二〇年度にはLNGが発電電力量の約三割を占める。
原電広報室によれば、そもそも中小炉の実用化には例がない。中小炉は緩やかな電力需要の伸びに対応した電源計画が立案しやすく、初期投資が少なくて済む。
一方、基本的なシステム構成が大型炉と同じであれば機器を減らすことができないため、出力単位で見ると、大型炉に比べて割高になるのが欠点だ。
原電に職員を派遣しているのは、十電力では沖電のみ。海外研究生受け入れの実績もない。
原発事故以降も、実用化の見通しもない小型炉の研究が必要なのか。冒頭の野党の疑間は当然といえば当然だ。
社民党の崎山嗣幸県議は「沖電は『研究して何が悪い』と強硬だが、事故の前と後で状況は全く違う。研究を中止し、県民から疑念を持たれないようにするべきだ」と話す。
仲井真知事については「震災支援には力を入れているが、足元の原発研究を改める姿勢がない。電力会社にいた知事は、原子力への幻想が捨てきれないのではないか」と皮肉った。
参照
■沖電、原発研究を継続
(沖縄タイムス 2011年4月24日)
福島第1原発事故を受け、社民党県連(新里米吉委員長)は23日、中長期経営計画に「小型原子力発電の導入可能性の研究に取り組む」と掲げている沖縄電力(石嶺伝一郎社長)に対し、研究の中止を要請した。県連は「研究は止めるべきだ」と求めたが、沖電側は(研究は)原発の導入を前提としたものではないと説明した上で「考え方は変わらない」と研究を継続していく方針を表明した。
社民県連が原発の安全性をただしたのに対し、沖電側は「導入の具体的な計画があるわけはない」「電力の安定供給のため情報を収集したい」などと答え、議論はかみ合わなかった。
新里委員長や照屋寛徳衆院議員、山内徳信参院議員ら7人が要請、沖電側は大嶺満、大嶺克成の両常務らが対応した。
沖電は2009年、電力の安定供給や本土並み電気料金の実現に向け原発研究を同計画に盛り込んだ。04年から社員1人が原子力関連企業に出向し、情報収集している。
沖電側が「電力の安定供給、低炭素化社会に向けたサービスは必要だ」などと情報収集継続を繰り返し説明。県連からは「しゃくし定規の回答。深刻さの認識の度合いが薄い」との批判も出た。
■原発持たない沖縄電力、導入研究を継続
(朝日新聞2011年8月4日)
沖縄電力(沖縄県浦添市)は2003年から取り組んでいる原子力発電所導入に向けた研究を続ける考えを明らかにした。東京電力福島第一原発事故の影響で原発の新規立地は難しい情勢だが、当真嗣吉(とうま・つぎよし)会長は「やめる理由はなく、長期的視野に立って研究を続ける」としている。
沖電は電力10社で唯一原発がなく、ほとんどを火力やディーゼル発電に頼っている。このため電気料金は8月の標準家庭が7774円と全国一高い。また1キロワット時発電する際に出る二酸化炭素の量も0.9キロを上回り、10電力で最も多い。
沖電のピーク時の電力需要は140万キロワット前後だ。これに対し、最近の原発は1基で100万キロワット超の出力があり、当真会長は「導入は現実的でない」とみる。ただ、各国で出力の小さい小型原子炉の研究が進んでいることなどから、日本原子力発電(東京)に技術者を派遣して研究している。(大畑滋生)
Posted by 姥桜のかぐや姫 at
12:51
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可愛い来訪者
合意していないプロジェクトより
2012年09月16日 / No Base
ネタ元:合意していないプロジェクトより http://www.projectdisagree.org/2012/09/blog-post_15.html
台風16号が来るのを待ちながら、とはいえ、車を路肩に停めてチェックしたとか、自転車を押し歩きするとか、バカすぎて反するのに割く時間がもったいない(もちろん、アホな大臣とアホを任命した首相の責任は追求すべきだけれどね)。V22がクルマというなら点検のため路肩に寄せたときに挽き潰されたシリケンイモリが、自転車というなら押し歩きしているときに踏み潰したのに気付きもしなかったアリンコが、私たちだ。
米軍と原発に絡んで、米国シンクタンクなどを牙城とする太平洋両岸「ジャパン・ハンド」の問題がしっかり指摘されるようになった。次なる批判の方法として、どのような切り口が可能だろうか。そんなことを最近の情報から考えてみる。
たとえば、国連差別撤廃委員会への外務省の回答文書が、防衛局がマニュアル化しているかのようにあらゆる機会に「説明」として繰り返される内容に酷似しているということ。環境アセスメントの実施業者が防衛省OBの天下りの受け皿となっているということ。このふたつの事象を同時に考えてみれば、外務省・防衛省・環境省という植民地官僚トリアーデが形成され、沖縄解放の障害になっているのではないかという批判の可能性に行き付く。当事者たちの作為があるかどうかはここでは問題ではない(あるいは環境省は後景にあって消極的な役割に関与しているだけかも、だけど)。これら三つの省に関係する官僚たちの群が、トモダチ作戦、原発推進、米軍基地機能強化のすべてにおいて果たした共犯関係を考えることが、日米関係を論じる上でこの先、重要になるかも知れない。
軍隊と外交と環境。現状でこの切り口をバランスよく捉えているのが、「沖縄生物多様性市民ネットワーク(沖縄BD)」の取り組み、ということになろうか(→沖縄BDのblogから「国連」タグの記事一覧)。
この点でたとえば手始めに、外務省の国連人種差別撤廃委員会への回答を作文したのは誰か。外務省官僚が本当に自らの手で作文したのかどうか、問うてみるのは良い方法かもしれない。有能さを誇っているかもしれない国家公務員が、あんがい書類を右から左へとコピペして流しているだけだったりしてね。些末な点に見えるかもしれないけど、外交と防衛の政策立案環境で人的な依存や癒着が深まることと、軍国主義化は無関係ではないと思うから。
あるいは、辺野古・高江でワースト・アセス大賞ワンツー受賞を果たしたほどの仕事をした環境コンサルへの防衛省OB天下りは指摘されたが、では米軍環境レビューの作業を日本で受注した業者はどうか。米軍環境レビューを受注して作業した内地のコンサル会社の実態、また直接か下請けを雇ったか定かでないが沖縄でいったいどのように調査したのか、その実態も明らかにされるべきだろう。
これらの点の追求から新たに見えて来る風景がある、かも知れない。無いかも知れないけど。
植民地官僚トリアーデに、「ハコモノ」との批判を浴びた後、環境コンサルへと看板を書き換え防衛行政と癒着したゼネコングループ企業も考慮に入れれば、21世紀版「グリーンアライアンス」日米軍産官コンプレックスのいっちょーあがりってか。むきーっ。
鼻息が荒くなった。前置きも長くなった。
閑話休題。
ハワイイと沖縄を比較した際に見えて来るアメリカ軍の二重基準について特集した『琉球新報』の連載が終了した。また、先行して報じられた「ハワイイの2空港で訓練中止」という『沖縄タイムス』の報道もある(「地元紙で識るオキナワ」blogで見ることが出来るし、この投稿の末尾にネット記事原文へのリンクあり)。アメリカ本国におけるV-22訓練をめぐって起こっている米軍と住民との摩擦について報道で追求し明らかにする努力を行っているのは、管見の限り沖縄のマスメディアのみだ。また、沖縄で秘密裡に起こっていることを、手に入る可能な道具を駆使して明らかにしようと試みているのは、県内在住の市民の努力だ。この記事の末尾の参考資料がそれを物語っている。
ハワイイの環境影響ステートメントと沖縄の環境レビュー
原資料は末尾の参考資料にリンクを付けた。
両者の比較から、沖縄への対応に欠けている点をいくつも見つけ出すことができる。すでに多くの論点が新聞連載等で採り上げられているので、そちらに譲るとして、ほかにもいくつか残されたポイントをメモに残しておきたい。
たとえば、いずれの報告書も巻末に当該報告書の配布先リストが付いている。両者を比較するだけでも、その圧倒的な差に打ちのめされたような気持ちになるだろう。幅広く関連市民団体や議員、公共の図書館、そして諸個人に対して報告書は配布されたようだ。沖縄では何千ページものレビューを市民レベルで扱いあぐねながらかき集めて読んだことは記憶に新しい。公的な情報を周知して反応を受けることが義務化され実施されている米国のハワイイにおける米軍。いっぽうに、情報の秘匿と「沖縄の理解を得る」と実質の伴わない空虚な発言だけが十数年も繰り返されつづけ日本政府が米軍のエージェント化している沖縄の現状。
たとえば、沖縄の環境レビューは、2012年4月リリースから2ヶ月を経てようやく、日本の防衛局のサイトで公開されたが、なぜ米海兵隊のサイトそのものでは公表されないのだろうか、という疑問。配布リストの冒頭に上がっているキャンプ・バトラーはじめ沖縄海兵隊のWebサイトは存在するが、報告書は(今のところ)見つけることが出来ない。ハワイイの報告書は海兵隊のサイトで特設ページを設けて公開されており、このことだけでも、双方が同じように扱われていないことを端的に示している。それだけではない。沖縄のレビューは、いったい何に基づいてどのような段階として、そして日本の環境アセスとどのように関連づけて実施されたのだろうか(このあたりは、もちろんジュゴン裁判と辺野古アセス訴訟の諸君が追求してくれるに違いない、頼む!)。
たとえば、ハワイイでの審査の対象とされたのは、オスプレイ単体での「安全」の問題にとどまらない。最終報告書のタイトルからすぐに判るとおり、攻撃型ヘリH-1との共同作戦訓練について総体としてレビューされている。それらを踏まえて、提供区域内の施設の更新、州規定に基づく民間空港使用の可否、機首と訓練の形態など、複雑な選択肢から、地域ごとに個別に許容される範囲が画定されていった様子を見ることができる。
AH-1コブラ、UH-1、攻撃型ヘリはともに普天間に配備されている既存のヘリである。北部訓練場の着陸帯が整備されれば、オスプレイだけではなく攻撃型ヘリとの編制訓練など、ますます実戦型訓練が激化することはごく当然に想定されるだろう。伊集盛久東村村長の「ヘリパッドはオスプレイのみを対象としていない」発言は、こうした当然の想定のもとに発せられたものであるべきだった。ところが、村長は「負担軽減になるから」と工事を進める口実として発言している。いかに奇妙で、的外れなだけでなく、目前の危険に目をつぶる無責任な態度であるか、理解できるだろう。手にしたメモを読み上げていた伊集村長は、このような弁解の文言を防衛局の官僚から指導されたのであれば、そのことを早急に暴露して発言を撤回し、着陸帯を使用した訓練形態について再精査を求めるべきだ。ハワイイの報告書がその良い教科書になるはずである。
たとえば、沖縄の環境レビューには、歴史文化的側面についての評価が手薄である点が、ハワイイのそれと比較して顕著である。普天間も、各着陸帯についても「世界遺産、日本国が保護指定する文化財、高い歴史的学問的価値のある地区など文化財への影響はない」" ...would not result in effects to cultural resources eligible for or listed as a World Heritage Site, GoJ equivalent National Register property, or to sites possessing a high historical or scholarly value. "でさらりと済ませている(ES-15、18ページ)。普天間にせよ、伊江島にせよ、中北部の訓練場にせよ、すでに提供区域内だという程度の根拠でこうなっているのだろう。ここを黙って見過ごしては、沖縄の文化の否定になってしまうのではないか。沖縄の文化遺産は、日本の基準で判定されるべきものではないはずだ。ましてや、提供区域内の史跡調査が不可能な現状で、この回答は沖縄の歴史と文化の破壊と言っても過言ではない。外務省の「差別ではない」回答の欺瞞も、こういうところから指摘して突き崩していく作業が必要だ。この点でハワイイの環境アセスメントにさまざまなレベルと規模の市民(団体や個人)が介入し、積極的に提言を行っていることは、大いに学ぶべき、ここでもハワイイの報告書は良き教科書なのである。
ところで、双方の環境レビューを比較する際の論点の建て方は、大変重要な問題である。強調しておきたいのは、安易な比較はNGだ、ということ。「米軍の二重基準」という切り口は、普天間飛行場に米国内法で適用される飛行禁止ゾーンを当てはめるという手法(これは伊波洋一宜野湾市政(当時)のイニシアティブによってなされてきた)に倣っていると見てよい。
沖縄の米軍環境レビューをめぐって「米軍の二重基準」を指摘するなら、辺野古については、日本の国内法である環境アセス法を適用した普天間環境影響評価と米軍環境レビューとの関連が、問われて良い。そして、高江については、国内法も県条例も免れ、防衛省OB天下りコンサルによって実施されたエセアセスに、米軍環境レビューの評価がどの程度依存しているかどうか。米軍が独自に実施し結論を出したのならば、JEGSはどのように遵守されたか、天然記念物(辺野古のジュゴン、高江のノグチゲラ)の保護について尊重されているか、高江については、東村のノグチゲラ保護条例も遵守の対象ではないか。このような点を追求することが「米軍の二重基準」を批判する糸口だろう。
だが単純にハワイイと沖縄の状況を比較して、ハワイイは平等に処遇されているが沖縄は人権が蹂躙され不平等に扱われている、という、ためにする比較、「こっちの酷さを言うためにあっちを持ち上げる」ような比較に堕してしまえば、かえって目を曇らせてしまうだろう。「沖縄のこどもたちはコウモリ以下かっ!」は、キャンペーンのキャッチコピーとしては上等かも知らんが、ね。
新報の連載が秀逸なのは、この点だ。ハワイイの現地取材によって地元の苦境をきちんと捉えていると思う。
ハワイイが米軍との間に理想的な関係を構築しているとは限らないことは、歴史に問うてみればすぐに了解できるだろう。率直に言って、まず第一にハワイイの報告書から判るのはハワイイにある米軍基地提供区域の広大さであり、これは20世紀転換期を画した米国の海外への膨張主義、1898年の実質占領と植民地化の爪痕なのである。今日、米軍基地に対する重要な抗議行動のファクターが先住民をキーワードとして行われていることも併せて、占領と軍事拠点化、長期にわたる自決権の否定など、ハワイイは沖縄と相似の関係にある。これを失念してはならない。
第二に、しかし、たとえ表層的であっても、ハワイイでは、形式的・手続き的にはさまざまな法制度によって規制がかけられている様子を見て取ることができる。複雑で多岐にわたる規制法制度の項目の羅列。これは、ハワイイが米国の州であり、その住民が大統領選挙を含めた連邦制度の参政権を持つ市民であることを示している。(ただしこの点も、万全であるとは言い難い。つい最近になって大統領選挙を目前に控えたオバマ大統領のサインで、長年にわたって苦しめられてきたノース・キャロライナ州キャンプ・レジューンの水質汚染問題について医療手当の支給を行うことがようやく決定されたことを想起しよう。)
つまりハワイイの報告書から読み取るべきは、軍隊への賛否両論とは区別して、訓練の被害については市民による抗議が、きっちりとなされているという事実ではないだろうか。受け容れ容認の立場でもフリーハンドの両手放しで米軍の駐留・訓練を黙認している場所では、ないのだ(なにやら仲井真県政の立ち位置に似てない?だから、条件を整えて受け容れるという立場から、ハワイイと沖縄を比較する視点が、必要になってくるのではないか。また配備問題に積極的に発言しているのは、沖縄では反戦・平和主義を基調とする市民運動であり、配備に反対の立場を基調とする。ハワイイの報告書に登場する市民団体との差異という点が、今後検討の対象となってよいように思う)。
ところが、沖縄に対する米軍環境レビューを一瞥すれば、あまりの落差に呻吟することになる。ここで問題は、アメリカと日本を比較した際の違い(だけ)なのかと、問いを立てなければならない。
比較をする際には、沖縄と日本の関係が、ハワイイと米国の関係に相似するか、その比較を可能にする条件についての考慮が欠かせない。ハワイイは沖縄と同様に占領と植民地化を経て米国に包摂された島嶼地域である。一国の政府とその国内地域に本来的に想定されうる正常な関係が存在するかどうか、と問えば、両者には微妙な誤差が出てくるだろう。米国の連邦制度のなかで州権を獲得したハワイイと、沖縄の施政権返還の歴史的文脈、島嶼地域内のマジョリティ・マイノリティ構成、等々。ここで深めるとblog記事は永遠に書き上がらない気がするので別の機会を作って考えようと思う。
両者を比較する際に見落としてはならないもうひとつは、沖縄と米軍の関係、ハワイイと米軍の関係が相似するかという、ごく当たり前の条件である。沖縄と米軍との間には、ハワイイとそれとの関係に加えて、日本政府というフィルターがある。このごく当たり前が、当たり前に機能していないところに沖縄の米軍基地問題はある。
沖縄は、外務省が人種差別撤廃委員会への回答で強弁するとおり、日本の国内であるならば、当然の義務として日本政府は、国際関係のなかで沖縄を自国民として保護する義務を負っているはずだ。本来的にそのようにあるならば、米軍環境レビューは、二重の規制を強いられなければならなかったはずだったのである。米国が定めた法規制と、国際関係によって生じる規制という二重の規制をかいくぐって配備を達成するのは非常に困難な作業であったに違いない。
ところが・・・というのが沖縄の現状だ。
こうしてみると、沖縄は二重の支配下ではなく、二重の例外化のなかに放擲されている。米軍の二重基準だけではなく、日本の二重基準(?)少なくとも沖縄を法外に置いていることからくる、4重基準(そんな言い方ないし意味よ〜だけど)。
県民大会を経て、外形的には、沖縄県は県政も議会も配備反対を表明している現在、沖縄県と東村によって黙殺されている高江は、さらなる深刻な棄却のなかにある。ハワイイの報告書と沖縄のそれとを比較して重大な問題領域を指摘するならば、だから、高江で起こっている事態に言及することが、どうしても必要である。
高江について受け容れ容認の責任の重荷は、より小さい行政組織へと転嫁されている。外務省は、高江の住民自治に基づく2度の反対決議の存在は亡きものにしたうえで、制度に則らない一部代議員による要請文を、国際的な場で根拠として提出したのである。国策の重圧に呻吟しながら出された一握りの集落の人びとによる要請、しかもその要望の重要な多くの願いは一顧だにされなかったというのに。日本の外務官僚の悪質さ、非道さ、粗悪さは、言語に絶する。果たして日本の外交官たちは、ハワイイの報告書で米軍が公開した住民・市民意見の扱いと同じ水準で、高江の「要望書」を国際社会に発表してしまったのである。無知蒙昧なのか傲岸不遜なのか、その両方なのか。いずれにしても植民地官僚トリアーデの醜さが噴出した重大な問題であり、日米関係のなかに埋没していると見失う観点だ。また沖縄が国際社会のなかで自律的に自己決定を指向しようとするならば、躓きの石はここに象徴的に表出しているといえる。
猛烈な台風のせいか。思考が左巻に渦巻いて、なんだかまとまりがつかなくなってきたので今夜はこのくらいで。予測不可能で圧倒的な凶暴さの、「神的暴力」の到来の予兆にいつでも共振できるよう心を準備しながら、台風の訪れを待つことにしよう。
[参考資料]
●オスプレイ:ハワイ2空港で訓練中止『沖縄タイムス』2012年8月13日 09時36分
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-13_37681
同件についての毎日jpの記事は以下。オスプレイ:ハワイの訓練を中止 環境への影響を考慮毎日新聞 2012年08月23日 02時33分(最終更新 08月23日 08時38分) http://mainichi.jp/select/news/20120823k0000m010106000c.html
●『沖縄タイムス』連載「アセス差別の構造を問う」1-5回(2012年2月11日-16日)
(執筆担当記者:知念清張・磯野直・平安名純代米国特約記者)
『琉球新報』連載
●「命の二重基準:ハワイからの報告」(2012年9月4日-14日)
(執筆担当記者:松堂秀樹ワシントン特派員)
●「危険の回廊:オスプレイ全県飛行の実態」1-8回(2012年8月31日-9月7日)
(執筆担当記者:当山幸都・大城和賀子・島袋良太・外間愛也・内間健友・仲村良太・伊佐尚記・嘉陽拓也)
●「空飛ぶ脅威:検証オスプレイ強行配備」全14回1-6回 7-9回 10-14回(2012年6月6日-6月28日)
(執筆担当記者:外間愛也・内間健友・増田健太・伊佐尚記・仲村良太・池田哲平)
●QABステーションQ「オスプレイ環境レビュー」(1)-(7)(検証・動かぬ基地vol.110-116、2012年7月30日-8月28日)
(1)ヘリパッドの危険性
(2)金武町の不安
(3)弾薬積み飛行
(4)高江ヘリパッドでの訓練
(5)「普天間」は負担増に
(6)「最大の変化に直面する」伊江島
(7)希少生物に与える影響
●リムピース「追跡!在日米軍」 http://www.rimpeace.or.jp/index.shtml
「風前のともしび、普天間基地場周経路の日米合意」(1)-(2)-(3)-(4)-(5)
●辺野古浜通信「オスプレイの訓練計画を中止したハワイの2つの地域」
GoogleEarthを駆使して、ハワイイの空港を空から眺めて比較する試み。
●なぜN4から?N4予定地とは?
このblog内。米軍環境レビューのうち北部訓練場とN4に特化して書いた。
●やんばる東村高江の現状「既存の着陸帯LZ17と新設予定地N4と県道70号線」
パノラマ写真で県道とヘリパッドの位置関係を確認。
●高江風船空撮(2012年9月12日)
N4予定地を風船カメラで撮影、既存LZ17とあわせた面として理解する助けとなる。
[ハワイイの環境影響ステートメント]
海兵隊が実施したハワイイへのオスプレイ配備に関する環境レビューのまとめサイトは以下。文書はPDFで公開されており、その一覧が見られる。
Environmental Impact Statement for the Basing of MV-22 and H-1 Aircraft in Support of III Marine Ecpeditionary Force Elements in Hawai'i
http://www.mcbh.usmc.mil/mv22h1eis/documents.html
[沖縄の環境レビュー]
比較の対象となっているのが、沖縄へのオスプレイ配備に関して米軍が実施し、防衛局のサイトで公開された環境レビューとその日本語訳である。
Final Environmental Review for Basing MV-22 at MCAS Futenma and Operating in Japan (April 2012).(「MV-22の普天間飛行場配備と日本における運用のための環境レビュー最終版(2012年4月)」)
http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/07oshirase/kikaku/kankyourebyu.html
防衛局のサイトには、じっさいに配布された別の資料など不足しているため、沖縄BDが作成したまとめサイトは以下。
http://okinawabd.ti-da.net/e3959465.html
●ハワイイの報告書の冒頭にある要旨ならびに序章には、この環境アセスメントの根拠法令が列挙されている。
This Environmental Impact Statement (EIS) has been prepared by the Department of the Navy in accordance with the National Environmental Policy Act of 1969 (NEPA), 42 United States Code (U.S.C.) §4321‐4374, as implemented by the Council on Environmental Quality (CEQ) regulations, 40 Code of Federal Regulations (CFR) §§1500‐1508; DoN Procedures for Implementing NEPA (32 CFR §775); Marine Corps Order 5090.2A (with Changes 1, 2); and the Marine Corps Environmental Compliance and Protection Manual, Chapter 12.
-NEPA(米国環境政策法、1969年制定)
-USC(連邦法)第42編第4321-4374条
-CEQ(環境諮問委員会)規則[環境諮問委員会はNEPAに基づいて設置された大統領直属の組織]
-CFR(連邦規則)第40編1500-1508条[CFRは行政手続き法に相当するもの、第40編は環境保護に関する諸則]
-海軍省NEPA実施手続き(CFR第32編775条)[CFR第32編は国防に関する諸則]
-海兵隊命令第5090.2A(改訂1、2)
-海兵隊環境法令遵守・保護マニュアル第12章[上掲MCO5090.2Aの第12章がNEPA遵守手続きについての章]
●沖縄の環境レビュー要旨(ES-2ページ)では、この環境レビューの根拠法令が以下のように列挙されている。
This ER was prepared to comply with Executive Order (E.O.) 12114, Environmental Effects Abroad of Major Federal Actions, DoD Directive 6050.7, Environmental Effects Abroad of Major Department of Defense Actions, and Marine Corps Order (MCO) P5090.2A, Environmental Compliance and Protection Manual, Change 2 (May 2009), which establishes procedures and policy on taking environmental considerations into account for federal actions outside of the U.S. and its territories and possessions. The review also integrates applicable conformance requirements from the Japan Environmental Governing Standards (JEGS) (updated 2010). Important areas that were analyzed during the ER process include:
-行政命令12114号「海外における連邦の主たる活動に係わる環境影響」
-国防省指令6050.7「海外における国防省の主たる活動に係わる環境影響」
-海兵隊命令第5090.2A「海兵隊環境法令遵守・保護マニュアル」(改訂2)
-JEGS(日本環境管理基準)2010年版(日本語版)(英語版)[在日米軍の日本における環境基準。JEGSについては外務省北米局のサイトに解説がある。]
[国連人種差別撤廃委員会と外務省]
●外務省「人種差別撤廃条約第9条、及び人種差別撤廃委員会手続規則第65条に基づく2012年3月9日付け人種差別撤廃委員会からの情報提供要請に対する回答」(2012年7月31日) には、仮訳(PDF)と 英語正文(PDF)の2種がある。
●日本政府のCERDへの回答に対する3NGOからのコメント
http://okinawabd.ti-da.net/e4045324.html
●沖縄BDのコメント1 http://okinawabd.ti-da.net/e4017414.html
●沖縄BDのコメント2 http://okinawabd.ti-da.net/e4017662.html
●外務省の回答中、高江に関する部分(「仮訳」の日本文と、英文から)。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/pdfs/req_info_120731_jp.pdf
3.計画の進展における地方公共団体等に対する説明実績
●北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事については、地元の十分な理解と
協力を得ることが重要との観点から、機会をとらえて、これまで地元東村高江
区の住民等に対する説明等を実施してきたところであり、2010 年 7 月には、東
村高江区から、公共施設の整備等の要請を含む「北部訓練場へのヘリパッド増
設に伴う要請について」と題する要請書が提出された。
●沖縄県については、県議会において、北部訓練場の過半の返還の条件である
北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事を着実に実施し、段階的に基地の整
理、縮小を図るべきとの見解が示されており、また、東村及び国頭村において
は、村長による受け入れの表明がなされている。
●このようなことから、政府としては、本件工事については、沖縄県を始めと11
して、地元自治体から理解を得ており、また、2010 年 7 月に、東村高江区から
要請書が提出されたことから、同区からも一定の理解を得ているものと考えて
いる。
http://www.mofa.go.jp/policy/human/pdfs/req_info_120731_en.pdf
3. Track Record of Explanations to Local Authorities and Other Entities in the Process of Executing the Plan
Given the importance of gaining substantial understanding and cooperation of local immunities in implementing the work to relocate helicopter landing zones of the Northern Training Area, the Government has taken various opportunities to provide explanations to the residents in the Takae District of Higashi Village. In July 2010, the Takae District submitted a letter of request entitled “Request in Relation to the Planned Addition of Helipads in the Northern Training Area”, which included requests for the development of public facilities.
The Okinawa prefectural assembly has put forward the opinion that the work to relocate the helicopter landing zones, which is one of the conditions on which a major portion of the Northern Training Area will be returned, should be implemented steadily so as to achieve the phased realignment and reduction of US bases. The mayors of both the Higashi and Kunigami Villages have expressed their readiness to accept the helicopter landing zones.
Accordingly, the Government considers that it has gained the understanding of Okinawa Prefecture and other local governments concerned regarding this relocation work. In addition, given the fact that the Takae District of Higashi Village submitted a letter of request in July 2010, the Government considers that it has gained a certain level of understanding from this district as well.
●高江区の「要請」についての報道
「東村高江区 ヘリパッド建設で補償案提示」QAB2010年7月20日 18時31分。
http://www.qab.co.jp/news/2010072019319.html
東村高江区のヘリパッド建設計画に関連して、地元高江区が計画の受け入れを前提とした負担軽減策や補償を盛り込んだ要請書を20日に東村に提出しました。
東村役場を訪れたのは高江区の浦崎永仁区長で、誘導灯や騒音測定機の設置、また公民館の建て替えなどを求める要請書を村に提出しました。
高江区では2010年5月から沖縄防衛局と交渉を重ね、集落から最も近いN4地区を遠くに移動させるよう求めてきましたが、場所を移せば新たな道路整備などが必要になるとして防衛局が難色を示したということです。
浦崎区長はこの件に関し「ある意味、現実的な話し合いをしていくというのは、地元にとっては苦渋の選択であるということ。要請書を提出したことに関しては、ある意味、容認と受け止められても白黒難しいことではあるが、仕方ないことだと思っている」と話しています。
事業については地元で根強い反対もありますが、要請書の提出により、条件付き容認への流れが加速する可能性が出てきました。
ヘリの影 住民不安 高江着陸帯工事再開1カ月風圧被害 究明進まず『沖縄タイムス』2011年1月22日 09時40分
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-22_13865
紙面は高江blogで http://takae.ti-da.net/e3323731.html
東村高江区でヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事が再開して、22日で1カ月となる。建設予定地では断続的に工事が行われ、反対する住民らによる座り込みが24時間体制で続く。専門家は同区でのヘリパッド建設が、県全体の基地負担につながる可能性を指摘。米軍とみられるヘリの風圧被害の事実究明が進まない中、住民の間に不安と不満の声が高まっている。(北部支社・湧田ちひろ)
米軍北部訓練場のヘリパッド建設予定地に隣接する県道70号。航空機の接触を避けるためオレンジ色のキャップが先端に付いた電柱の真上を、米軍ヘリが低空飛行する。高江区の日常光景だ。「畑のキビがヘリの風圧で倒された」。これまでに浦〓永仁区長の下には数回、低空飛行に対する住民の苦情が寄せられている。
しかし、昨年12月のヘリホバリングによるテント損壊被害で、機体は特定されないままだ。
苦渋の現実路線
高江区は過去に2度、区民総会で移設反対の決議を採決したが、2009年1月、条件付き容認へとかじを切った。当時の区長は「国と国との交渉に、小さな区が抵抗するには限界がある。(沖縄防衛局と)交渉すべきは交渉すべきだ」と理由を説明した。
区長交代後の10年7月には、建設受け入れに伴う補償案と負担軽減策を盛り込んだ要請書を村に提出。浦〓区長は「苦渋の選択」とした上で「強行されて造られるなら、負担軽減や事業を要求することが区の得策だ」と振り返る。工事強行への不安を背景に、現実路線への転換を強いられた格好だ。一方、沖縄防衛局は「要請などをもって区の同意は得られている」という考えだ。
昨年12月に再開した工事は、断続的に実施。今月17日には午前5時45分ごろ、暗がりの中を作業員らが建設予定地に入り作業した。
いつ工事が行われるか分からない状況に、住民らは24時間体制での警戒を決めた。現場では先の見えない「消耗戦」が続いている。
同区に住む60代の女性は「屋根の上をヘリが低空飛行することもある。静かなやんばるにヘリパッドはいらない」と話す。予定地から400メートルの所に住む安次嶺雪音さん(39)は「ヘリパッドを造ったら生活はどうなるのか」と不安を訴える。
「再編の突破口」
沖縄国際大学の佐藤学教授(政治学)は「高江は普天間基地移設問題と密接に連携している。政府は県民の注目が集まっていない高江を突破口として、米軍再編を進めるための既成事実を積み重ねようとしている」と指摘した。
※(注=〓はへんが「山」でつくりが「竒」)
●じっさいには高江区の「要請」に対して防衛局は、N4地区の見直しに応じず、夜間の訓練は米軍に申し入れた程度であるなど、きちんと向き合って対応していない、ということの報道資料をネットから探し当てることが出来ず。鋭意検索中。
台風16号が来るのを待ちながら、とはいえ、車を路肩に停めてチェックしたとか、自転車を押し歩きするとか、バカすぎて反するのに割く時間がもったいない(もちろん、アホな大臣とアホを任命した首相の責任は追求すべきだけれどね)。V22がクルマというなら点検のため路肩に寄せたときに挽き潰されたシリケンイモリが、自転車というなら押し歩きしているときに踏み潰したのに気付きもしなかったアリンコが、私たちだ。
米軍と原発に絡んで、米国シンクタンクなどを牙城とする太平洋両岸「ジャパン・ハンド」の問題がしっかり指摘されるようになった。次なる批判の方法として、どのような切り口が可能だろうか。そんなことを最近の情報から考えてみる。
たとえば、国連差別撤廃委員会への外務省の回答文書が、防衛局がマニュアル化しているかのようにあらゆる機会に「説明」として繰り返される内容に酷似しているということ。環境アセスメントの実施業者が防衛省OBの天下りの受け皿となっているということ。このふたつの事象を同時に考えてみれば、外務省・防衛省・環境省という植民地官僚トリアーデが形成され、沖縄解放の障害になっているのではないかという批判の可能性に行き付く。当事者たちの作為があるかどうかはここでは問題ではない(あるいは環境省は後景にあって消極的な役割に関与しているだけかも、だけど)。これら三つの省に関係する官僚たちの群が、トモダチ作戦、原発推進、米軍基地機能強化のすべてにおいて果たした共犯関係を考えることが、日米関係を論じる上でこの先、重要になるかも知れない。
軍隊と外交と環境。現状でこの切り口をバランスよく捉えているのが、「沖縄生物多様性市民ネットワーク(沖縄BD)」の取り組み、ということになろうか(→沖縄BDのblogから「国連」タグの記事一覧)。
この点でたとえば手始めに、外務省の国連人種差別撤廃委員会への回答を作文したのは誰か。外務省官僚が本当に自らの手で作文したのかどうか、問うてみるのは良い方法かもしれない。有能さを誇っているかもしれない国家公務員が、あんがい書類を右から左へとコピペして流しているだけだったりしてね。些末な点に見えるかもしれないけど、外交と防衛の政策立案環境で人的な依存や癒着が深まることと、軍国主義化は無関係ではないと思うから。
あるいは、辺野古・高江でワースト・アセス大賞ワンツー受賞を果たしたほどの仕事をした環境コンサルへの防衛省OB天下りは指摘されたが、では米軍環境レビューの作業を日本で受注した業者はどうか。米軍環境レビューを受注して作業した内地のコンサル会社の実態、また直接か下請けを雇ったか定かでないが沖縄でいったいどのように調査したのか、その実態も明らかにされるべきだろう。
これらの点の追求から新たに見えて来る風景がある、かも知れない。無いかも知れないけど。
植民地官僚トリアーデに、「ハコモノ」との批判を浴びた後、環境コンサルへと看板を書き換え防衛行政と癒着したゼネコングループ企業も考慮に入れれば、21世紀版「グリーンアライアンス」日米軍産官コンプレックスのいっちょーあがりってか。むきーっ。
鼻息が荒くなった。前置きも長くなった。
閑話休題。
ハワイイと沖縄を比較した際に見えて来るアメリカ軍の二重基準について特集した『琉球新報』の連載が終了した。また、先行して報じられた「ハワイイの2空港で訓練中止」という『沖縄タイムス』の報道もある(「地元紙で識るオキナワ」blogで見ることが出来るし、この投稿の末尾にネット記事原文へのリンクあり)。アメリカ本国におけるV-22訓練をめぐって起こっている米軍と住民との摩擦について報道で追求し明らかにする努力を行っているのは、管見の限り沖縄のマスメディアのみだ。また、沖縄で秘密裡に起こっていることを、手に入る可能な道具を駆使して明らかにしようと試みているのは、県内在住の市民の努力だ。この記事の末尾の参考資料がそれを物語っている。
ハワイイの環境影響ステートメントと沖縄の環境レビュー
原資料は末尾の参考資料にリンクを付けた。
両者の比較から、沖縄への対応に欠けている点をいくつも見つけ出すことができる。すでに多くの論点が新聞連載等で採り上げられているので、そちらに譲るとして、ほかにもいくつか残されたポイントをメモに残しておきたい。
たとえば、いずれの報告書も巻末に当該報告書の配布先リストが付いている。両者を比較するだけでも、その圧倒的な差に打ちのめされたような気持ちになるだろう。幅広く関連市民団体や議員、公共の図書館、そして諸個人に対して報告書は配布されたようだ。沖縄では何千ページものレビューを市民レベルで扱いあぐねながらかき集めて読んだことは記憶に新しい。公的な情報を周知して反応を受けることが義務化され実施されている米国のハワイイにおける米軍。いっぽうに、情報の秘匿と「沖縄の理解を得る」と実質の伴わない空虚な発言だけが十数年も繰り返されつづけ日本政府が米軍のエージェント化している沖縄の現状。
たとえば、沖縄の環境レビューは、2012年4月リリースから2ヶ月を経てようやく、日本の防衛局のサイトで公開されたが、なぜ米海兵隊のサイトそのものでは公表されないのだろうか、という疑問。配布リストの冒頭に上がっているキャンプ・バトラーはじめ沖縄海兵隊のWebサイトは存在するが、報告書は(今のところ)見つけることが出来ない。ハワイイの報告書は海兵隊のサイトで特設ページを設けて公開されており、このことだけでも、双方が同じように扱われていないことを端的に示している。それだけではない。沖縄のレビューは、いったい何に基づいてどのような段階として、そして日本の環境アセスとどのように関連づけて実施されたのだろうか(このあたりは、もちろんジュゴン裁判と辺野古アセス訴訟の諸君が追求してくれるに違いない、頼む!)。
たとえば、ハワイイでの審査の対象とされたのは、オスプレイ単体での「安全」の問題にとどまらない。最終報告書のタイトルからすぐに判るとおり、攻撃型ヘリH-1との共同作戦訓練について総体としてレビューされている。それらを踏まえて、提供区域内の施設の更新、州規定に基づく民間空港使用の可否、機首と訓練の形態など、複雑な選択肢から、地域ごとに個別に許容される範囲が画定されていった様子を見ることができる。
AH-1コブラ、UH-1、攻撃型ヘリはともに普天間に配備されている既存のヘリである。北部訓練場の着陸帯が整備されれば、オスプレイだけではなく攻撃型ヘリとの編制訓練など、ますます実戦型訓練が激化することはごく当然に想定されるだろう。伊集盛久東村村長の「ヘリパッドはオスプレイのみを対象としていない」発言は、こうした当然の想定のもとに発せられたものであるべきだった。ところが、村長は「負担軽減になるから」と工事を進める口実として発言している。いかに奇妙で、的外れなだけでなく、目前の危険に目をつぶる無責任な態度であるか、理解できるだろう。手にしたメモを読み上げていた伊集村長は、このような弁解の文言を防衛局の官僚から指導されたのであれば、そのことを早急に暴露して発言を撤回し、着陸帯を使用した訓練形態について再精査を求めるべきだ。ハワイイの報告書がその良い教科書になるはずである。
たとえば、沖縄の環境レビューには、歴史文化的側面についての評価が手薄である点が、ハワイイのそれと比較して顕著である。普天間も、各着陸帯についても「世界遺産、日本国が保護指定する文化財、高い歴史的学問的価値のある地区など文化財への影響はない」" ...would not result in effects to cultural resources eligible for or listed as a World Heritage Site, GoJ equivalent National Register property, or to sites possessing a high historical or scholarly value. "でさらりと済ませている(ES-15、18ページ)。普天間にせよ、伊江島にせよ、中北部の訓練場にせよ、すでに提供区域内だという程度の根拠でこうなっているのだろう。ここを黙って見過ごしては、沖縄の文化の否定になってしまうのではないか。沖縄の文化遺産は、日本の基準で判定されるべきものではないはずだ。ましてや、提供区域内の史跡調査が不可能な現状で、この回答は沖縄の歴史と文化の破壊と言っても過言ではない。外務省の「差別ではない」回答の欺瞞も、こういうところから指摘して突き崩していく作業が必要だ。この点でハワイイの環境アセスメントにさまざまなレベルと規模の市民(団体や個人)が介入し、積極的に提言を行っていることは、大いに学ぶべき、ここでもハワイイの報告書は良き教科書なのである。
ところで、双方の環境レビューを比較する際の論点の建て方は、大変重要な問題である。強調しておきたいのは、安易な比較はNGだ、ということ。「米軍の二重基準」という切り口は、普天間飛行場に米国内法で適用される飛行禁止ゾーンを当てはめるという手法(これは伊波洋一宜野湾市政(当時)のイニシアティブによってなされてきた)に倣っていると見てよい。
沖縄の米軍環境レビューをめぐって「米軍の二重基準」を指摘するなら、辺野古については、日本の国内法である環境アセス法を適用した普天間環境影響評価と米軍環境レビューとの関連が、問われて良い。そして、高江については、国内法も県条例も免れ、防衛省OB天下りコンサルによって実施されたエセアセスに、米軍環境レビューの評価がどの程度依存しているかどうか。米軍が独自に実施し結論を出したのならば、JEGSはどのように遵守されたか、天然記念物(辺野古のジュゴン、高江のノグチゲラ)の保護について尊重されているか、高江については、東村のノグチゲラ保護条例も遵守の対象ではないか。このような点を追求することが「米軍の二重基準」を批判する糸口だろう。
だが単純にハワイイと沖縄の状況を比較して、ハワイイは平等に処遇されているが沖縄は人権が蹂躙され不平等に扱われている、という、ためにする比較、「こっちの酷さを言うためにあっちを持ち上げる」ような比較に堕してしまえば、かえって目を曇らせてしまうだろう。「沖縄のこどもたちはコウモリ以下かっ!」は、キャンペーンのキャッチコピーとしては上等かも知らんが、ね。
新報の連載が秀逸なのは、この点だ。ハワイイの現地取材によって地元の苦境をきちんと捉えていると思う。
ハワイイが米軍との間に理想的な関係を構築しているとは限らないことは、歴史に問うてみればすぐに了解できるだろう。率直に言って、まず第一にハワイイの報告書から判るのはハワイイにある米軍基地提供区域の広大さであり、これは20世紀転換期を画した米国の海外への膨張主義、1898年の実質占領と植民地化の爪痕なのである。今日、米軍基地に対する重要な抗議行動のファクターが先住民をキーワードとして行われていることも併せて、占領と軍事拠点化、長期にわたる自決権の否定など、ハワイイは沖縄と相似の関係にある。これを失念してはならない。
第二に、しかし、たとえ表層的であっても、ハワイイでは、形式的・手続き的にはさまざまな法制度によって規制がかけられている様子を見て取ることができる。複雑で多岐にわたる規制法制度の項目の羅列。これは、ハワイイが米国の州であり、その住民が大統領選挙を含めた連邦制度の参政権を持つ市民であることを示している。(ただしこの点も、万全であるとは言い難い。つい最近になって大統領選挙を目前に控えたオバマ大統領のサインで、長年にわたって苦しめられてきたノース・キャロライナ州キャンプ・レジューンの水質汚染問題について医療手当の支給を行うことがようやく決定されたことを想起しよう。)
つまりハワイイの報告書から読み取るべきは、軍隊への賛否両論とは区別して、訓練の被害については市民による抗議が、きっちりとなされているという事実ではないだろうか。受け容れ容認の立場でもフリーハンドの両手放しで米軍の駐留・訓練を黙認している場所では、ないのだ(なにやら仲井真県政の立ち位置に似てない?だから、条件を整えて受け容れるという立場から、ハワイイと沖縄を比較する視点が、必要になってくるのではないか。また配備問題に積極的に発言しているのは、沖縄では反戦・平和主義を基調とする市民運動であり、配備に反対の立場を基調とする。ハワイイの報告書に登場する市民団体との差異という点が、今後検討の対象となってよいように思う)。
ところが、沖縄に対する米軍環境レビューを一瞥すれば、あまりの落差に呻吟することになる。ここで問題は、アメリカと日本を比較した際の違い(だけ)なのかと、問いを立てなければならない。
比較をする際には、沖縄と日本の関係が、ハワイイと米国の関係に相似するか、その比較を可能にする条件についての考慮が欠かせない。ハワイイは沖縄と同様に占領と植民地化を経て米国に包摂された島嶼地域である。一国の政府とその国内地域に本来的に想定されうる正常な関係が存在するかどうか、と問えば、両者には微妙な誤差が出てくるだろう。米国の連邦制度のなかで州権を獲得したハワイイと、沖縄の施政権返還の歴史的文脈、島嶼地域内のマジョリティ・マイノリティ構成、等々。ここで深めるとblog記事は永遠に書き上がらない気がするので別の機会を作って考えようと思う。
両者を比較する際に見落としてはならないもうひとつは、沖縄と米軍の関係、ハワイイと米軍の関係が相似するかという、ごく当たり前の条件である。沖縄と米軍との間には、ハワイイとそれとの関係に加えて、日本政府というフィルターがある。このごく当たり前が、当たり前に機能していないところに沖縄の米軍基地問題はある。
沖縄は、外務省が人種差別撤廃委員会への回答で強弁するとおり、日本の国内であるならば、当然の義務として日本政府は、国際関係のなかで沖縄を自国民として保護する義務を負っているはずだ。本来的にそのようにあるならば、米軍環境レビューは、二重の規制を強いられなければならなかったはずだったのである。米国が定めた法規制と、国際関係によって生じる規制という二重の規制をかいくぐって配備を達成するのは非常に困難な作業であったに違いない。
ところが・・・というのが沖縄の現状だ。
こうしてみると、沖縄は二重の支配下ではなく、二重の例外化のなかに放擲されている。米軍の二重基準だけではなく、日本の二重基準(?)少なくとも沖縄を法外に置いていることからくる、4重基準(そんな言い方ないし意味よ〜だけど)。
県民大会を経て、外形的には、沖縄県は県政も議会も配備反対を表明している現在、沖縄県と東村によって黙殺されている高江は、さらなる深刻な棄却のなかにある。ハワイイの報告書と沖縄のそれとを比較して重大な問題領域を指摘するならば、だから、高江で起こっている事態に言及することが、どうしても必要である。
高江について受け容れ容認の責任の重荷は、より小さい行政組織へと転嫁されている。外務省は、高江の住民自治に基づく2度の反対決議の存在は亡きものにしたうえで、制度に則らない一部代議員による要請文を、国際的な場で根拠として提出したのである。国策の重圧に呻吟しながら出された一握りの集落の人びとによる要請、しかもその要望の重要な多くの願いは一顧だにされなかったというのに。日本の外務官僚の悪質さ、非道さ、粗悪さは、言語に絶する。果たして日本の外交官たちは、ハワイイの報告書で米軍が公開した住民・市民意見の扱いと同じ水準で、高江の「要望書」を国際社会に発表してしまったのである。無知蒙昧なのか傲岸不遜なのか、その両方なのか。いずれにしても植民地官僚トリアーデの醜さが噴出した重大な問題であり、日米関係のなかに埋没していると見失う観点だ。また沖縄が国際社会のなかで自律的に自己決定を指向しようとするならば、躓きの石はここに象徴的に表出しているといえる。
猛烈な台風のせいか。思考が左巻に渦巻いて、なんだかまとまりがつかなくなってきたので今夜はこのくらいで。予測不可能で圧倒的な凶暴さの、「神的暴力」の到来の予兆にいつでも共振できるよう心を準備しながら、台風の訪れを待つことにしよう。
[参考資料]
●オスプレイ:ハワイ2空港で訓練中止『沖縄タイムス』2012年8月13日 09時36分
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-13_37681
同件についての毎日jpの記事は以下。オスプレイ:ハワイの訓練を中止 環境への影響を考慮毎日新聞 2012年08月23日 02時33分(最終更新 08月23日 08時38分) http://mainichi.jp/select/news/20120823k0000m010106000c.html
●『沖縄タイムス』連載「アセス差別の構造を問う」1-5回(2012年2月11日-16日)
(執筆担当記者:知念清張・磯野直・平安名純代米国特約記者)
『琉球新報』連載
●「命の二重基準:ハワイからの報告」(2012年9月4日-14日)
(執筆担当記者:松堂秀樹ワシントン特派員)
●「危険の回廊:オスプレイ全県飛行の実態」1-8回(2012年8月31日-9月7日)
(執筆担当記者:当山幸都・大城和賀子・島袋良太・外間愛也・内間健友・仲村良太・伊佐尚記・嘉陽拓也)
●「空飛ぶ脅威:検証オスプレイ強行配備」全14回1-6回 7-9回 10-14回(2012年6月6日-6月28日)
(執筆担当記者:外間愛也・内間健友・増田健太・伊佐尚記・仲村良太・池田哲平)
●QABステーションQ「オスプレイ環境レビュー」(1)-(7)(検証・動かぬ基地vol.110-116、2012年7月30日-8月28日)
(1)ヘリパッドの危険性
(2)金武町の不安
(3)弾薬積み飛行
(4)高江ヘリパッドでの訓練
(5)「普天間」は負担増に
(6)「最大の変化に直面する」伊江島
(7)希少生物に与える影響
●リムピース「追跡!在日米軍」 http://www.rimpeace.or.jp/index.shtml
「風前のともしび、普天間基地場周経路の日米合意」(1)-(2)-(3)-(4)-(5)
●辺野古浜通信「オスプレイの訓練計画を中止したハワイの2つの地域」
GoogleEarthを駆使して、ハワイイの空港を空から眺めて比較する試み。
●なぜN4から?N4予定地とは?
このblog内。米軍環境レビューのうち北部訓練場とN4に特化して書いた。
●やんばる東村高江の現状「既存の着陸帯LZ17と新設予定地N4と県道70号線」
パノラマ写真で県道とヘリパッドの位置関係を確認。
●高江風船空撮(2012年9月12日)
N4予定地を風船カメラで撮影、既存LZ17とあわせた面として理解する助けとなる。
[ハワイイの環境影響ステートメント]
海兵隊が実施したハワイイへのオスプレイ配備に関する環境レビューのまとめサイトは以下。文書はPDFで公開されており、その一覧が見られる。
Environmental Impact Statement for the Basing of MV-22 and H-1 Aircraft in Support of III Marine Ecpeditionary Force Elements in Hawai'i
http://www.mcbh.usmc.mil/mv22h1eis/documents.html
[沖縄の環境レビュー]
比較の対象となっているのが、沖縄へのオスプレイ配備に関して米軍が実施し、防衛局のサイトで公開された環境レビューとその日本語訳である。
Final Environmental Review for Basing MV-22 at MCAS Futenma and Operating in Japan (April 2012).(「MV-22の普天間飛行場配備と日本における運用のための環境レビュー最終版(2012年4月)」)
http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/07oshirase/kikaku/kankyourebyu.html
防衛局のサイトには、じっさいに配布された別の資料など不足しているため、沖縄BDが作成したまとめサイトは以下。
http://okinawabd.ti-da.net/e3959465.html
●ハワイイの報告書の冒頭にある要旨ならびに序章には、この環境アセスメントの根拠法令が列挙されている。
This Environmental Impact Statement (EIS) has been prepared by the Department of the Navy in accordance with the National Environmental Policy Act of 1969 (NEPA), 42 United States Code (U.S.C.) §4321‐4374, as implemented by the Council on Environmental Quality (CEQ) regulations, 40 Code of Federal Regulations (CFR) §§1500‐1508; DoN Procedures for Implementing NEPA (32 CFR §775); Marine Corps Order 5090.2A (with Changes 1, 2); and the Marine Corps Environmental Compliance and Protection Manual, Chapter 12.
-NEPA(米国環境政策法、1969年制定)
-USC(連邦法)第42編第4321-4374条
-CEQ(環境諮問委員会)規則[環境諮問委員会はNEPAに基づいて設置された大統領直属の組織]
-CFR(連邦規則)第40編1500-1508条[CFRは行政手続き法に相当するもの、第40編は環境保護に関する諸則]
-海軍省NEPA実施手続き(CFR第32編775条)[CFR第32編は国防に関する諸則]
-海兵隊命令第5090.2A(改訂1、2)
-海兵隊環境法令遵守・保護マニュアル第12章[上掲MCO5090.2Aの第12章がNEPA遵守手続きについての章]
●沖縄の環境レビュー要旨(ES-2ページ)では、この環境レビューの根拠法令が以下のように列挙されている。
This ER was prepared to comply with Executive Order (E.O.) 12114, Environmental Effects Abroad of Major Federal Actions, DoD Directive 6050.7, Environmental Effects Abroad of Major Department of Defense Actions, and Marine Corps Order (MCO) P5090.2A, Environmental Compliance and Protection Manual, Change 2 (May 2009), which establishes procedures and policy on taking environmental considerations into account for federal actions outside of the U.S. and its territories and possessions. The review also integrates applicable conformance requirements from the Japan Environmental Governing Standards (JEGS) (updated 2010). Important areas that were analyzed during the ER process include:
-行政命令12114号「海外における連邦の主たる活動に係わる環境影響」
-国防省指令6050.7「海外における国防省の主たる活動に係わる環境影響」
-海兵隊命令第5090.2A「海兵隊環境法令遵守・保護マニュアル」(改訂2)
-JEGS(日本環境管理基準)2010年版(日本語版)(英語版)[在日米軍の日本における環境基準。JEGSについては外務省北米局のサイトに解説がある。]
[国連人種差別撤廃委員会と外務省]
●外務省「人種差別撤廃条約第9条、及び人種差別撤廃委員会手続規則第65条に基づく2012年3月9日付け人種差別撤廃委員会からの情報提供要請に対する回答」(2012年7月31日) には、仮訳(PDF)と 英語正文(PDF)の2種がある。
●日本政府のCERDへの回答に対する3NGOからのコメント
http://okinawabd.ti-da.net/e4045324.html
●沖縄BDのコメント1 http://okinawabd.ti-da.net/e4017414.html
●沖縄BDのコメント2 http://okinawabd.ti-da.net/e4017662.html
●外務省の回答中、高江に関する部分(「仮訳」の日本文と、英文から)。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/pdfs/req_info_120731_jp.pdf
3.計画の進展における地方公共団体等に対する説明実績
●北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事については、地元の十分な理解と
協力を得ることが重要との観点から、機会をとらえて、これまで地元東村高江
区の住民等に対する説明等を実施してきたところであり、2010 年 7 月には、東
村高江区から、公共施設の整備等の要請を含む「北部訓練場へのヘリパッド増
設に伴う要請について」と題する要請書が提出された。
●沖縄県については、県議会において、北部訓練場の過半の返還の条件である
北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設工事を着実に実施し、段階的に基地の整
理、縮小を図るべきとの見解が示されており、また、東村及び国頭村において
は、村長による受け入れの表明がなされている。
●このようなことから、政府としては、本件工事については、沖縄県を始めと11
して、地元自治体から理解を得ており、また、2010 年 7 月に、東村高江区から
要請書が提出されたことから、同区からも一定の理解を得ているものと考えて
いる。
http://www.mofa.go.jp/policy/human/pdfs/req_info_120731_en.pdf
3. Track Record of Explanations to Local Authorities and Other Entities in the Process of Executing the Plan
Given the importance of gaining substantial understanding and cooperation of local immunities in implementing the work to relocate helicopter landing zones of the Northern Training Area, the Government has taken various opportunities to provide explanations to the residents in the Takae District of Higashi Village. In July 2010, the Takae District submitted a letter of request entitled “Request in Relation to the Planned Addition of Helipads in the Northern Training Area”, which included requests for the development of public facilities.
The Okinawa prefectural assembly has put forward the opinion that the work to relocate the helicopter landing zones, which is one of the conditions on which a major portion of the Northern Training Area will be returned, should be implemented steadily so as to achieve the phased realignment and reduction of US bases. The mayors of both the Higashi and Kunigami Villages have expressed their readiness to accept the helicopter landing zones.
Accordingly, the Government considers that it has gained the understanding of Okinawa Prefecture and other local governments concerned regarding this relocation work. In addition, given the fact that the Takae District of Higashi Village submitted a letter of request in July 2010, the Government considers that it has gained a certain level of understanding from this district as well.
●高江区の「要請」についての報道
「東村高江区 ヘリパッド建設で補償案提示」QAB2010年7月20日 18時31分。
http://www.qab.co.jp/news/2010072019319.html
東村高江区のヘリパッド建設計画に関連して、地元高江区が計画の受け入れを前提とした負担軽減策や補償を盛り込んだ要請書を20日に東村に提出しました。
東村役場を訪れたのは高江区の浦崎永仁区長で、誘導灯や騒音測定機の設置、また公民館の建て替えなどを求める要請書を村に提出しました。
高江区では2010年5月から沖縄防衛局と交渉を重ね、集落から最も近いN4地区を遠くに移動させるよう求めてきましたが、場所を移せば新たな道路整備などが必要になるとして防衛局が難色を示したということです。
浦崎区長はこの件に関し「ある意味、現実的な話し合いをしていくというのは、地元にとっては苦渋の選択であるということ。要請書を提出したことに関しては、ある意味、容認と受け止められても白黒難しいことではあるが、仕方ないことだと思っている」と話しています。
事業については地元で根強い反対もありますが、要請書の提出により、条件付き容認への流れが加速する可能性が出てきました。
ヘリの影 住民不安 高江着陸帯工事再開1カ月風圧被害 究明進まず『沖縄タイムス』2011年1月22日 09時40分
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-22_13865
紙面は高江blogで http://takae.ti-da.net/e3323731.html
東村高江区でヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事が再開して、22日で1カ月となる。建設予定地では断続的に工事が行われ、反対する住民らによる座り込みが24時間体制で続く。専門家は同区でのヘリパッド建設が、県全体の基地負担につながる可能性を指摘。米軍とみられるヘリの風圧被害の事実究明が進まない中、住民の間に不安と不満の声が高まっている。(北部支社・湧田ちひろ)
米軍北部訓練場のヘリパッド建設予定地に隣接する県道70号。航空機の接触を避けるためオレンジ色のキャップが先端に付いた電柱の真上を、米軍ヘリが低空飛行する。高江区の日常光景だ。「畑のキビがヘリの風圧で倒された」。これまでに浦〓永仁区長の下には数回、低空飛行に対する住民の苦情が寄せられている。
しかし、昨年12月のヘリホバリングによるテント損壊被害で、機体は特定されないままだ。
苦渋の現実路線
高江区は過去に2度、区民総会で移設反対の決議を採決したが、2009年1月、条件付き容認へとかじを切った。当時の区長は「国と国との交渉に、小さな区が抵抗するには限界がある。(沖縄防衛局と)交渉すべきは交渉すべきだ」と理由を説明した。
区長交代後の10年7月には、建設受け入れに伴う補償案と負担軽減策を盛り込んだ要請書を村に提出。浦〓区長は「苦渋の選択」とした上で「強行されて造られるなら、負担軽減や事業を要求することが区の得策だ」と振り返る。工事強行への不安を背景に、現実路線への転換を強いられた格好だ。一方、沖縄防衛局は「要請などをもって区の同意は得られている」という考えだ。
昨年12月に再開した工事は、断続的に実施。今月17日には午前5時45分ごろ、暗がりの中を作業員らが建設予定地に入り作業した。
いつ工事が行われるか分からない状況に、住民らは24時間体制での警戒を決めた。現場では先の見えない「消耗戦」が続いている。
同区に住む60代の女性は「屋根の上をヘリが低空飛行することもある。静かなやんばるにヘリパッドはいらない」と話す。予定地から400メートルの所に住む安次嶺雪音さん(39)は「ヘリパッドを造ったら生活はどうなるのか」と不安を訴える。
「再編の突破口」
沖縄国際大学の佐藤学教授(政治学)は「高江は普天間基地移設問題と密接に連携している。政府は県民の注目が集まっていない高江を突破口として、米軍再編を進めるための既成事実を積み重ねようとしている」と指摘した。
※(注=〓はへんが「山」でつくりが「竒」)
●じっさいには高江区の「要請」に対して防衛局は、N4地区の見直しに応じず、夜間の訓練は米軍に申し入れた程度であるなど、きちんと向き合って対応していない、ということの報道資料をネットから探し当てることが出来ず。鋭意検索中。
Posted by 姥桜のかぐや姫 at
06:09
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高江よりSOS
2012年09月13日
防衛局に依る沖縄やんばるの森の破壊が着々と進んでいます。
防止するにも人手が足りません。チョイ入り・チョイ出も歓迎です。宜しくお願い致します。

防止するにも人手が足りません。チョイ入り・チョイ出も歓迎です。宜しくお願い致します。

Posted by 姥桜のかぐや姫 at
09:56
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ハンガーストラキファイナルデー
日米政府、沖縄いびりいい加減にせよ!!
2012年08月27日
安全なら自国で運用すればいいのにな~
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-25_38176
オスプレイ:安全確認 来月上旬に終了
政治 2012年8月25日 09時47分
(45時間44分前に更新)
【東京】森本敏防衛相は24日の閣議後会見で、米軍が普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米フロリダ州での墜落事故について、9月上旬に日本独自の分析結果を公表する考えを示した。防衛省は週明けに公表するモロッコでの事故分析と併せ、フロリダでの事故分析公表をもって日米での安全性再確認とする考え。
同省幹部は再確認と同時期に日米合同委員会による日本国内での安全管理の枠組みを合意し、一時駐機先の岩国基地(山口県)での試験飛行に踏み切る見通しを明らかにした。
日米両政府は二つの墜落事故を受け、日米双方による安全性の再確認ができるまで日本国内での飛行を差し止める方針を合意していた。
防衛省は9月上旬に再確認で国内飛行の条件をクリアすると同時に、日米合同委で低空飛行訓練などの安全管理の枠組みを合意することで沖縄や山口県など関係自治体の理解を得たい考えだ。
米側は従来、岩国での試験飛行期間を1~2週間としており、試験飛行後は9月中に普天間に移動し、10月から本格運用する米軍の方針通り配備が進むとみられる。
同省幹部によると、米国防総省から同省に対するフロリダでの事故調査報告書の提供は米時間30日に予定されている。
森本氏は会見でフロリダの事故について「来週ワシントンで米側から説明を受け、(日本独自の)分析作業が1週間ほど行われる」と述べ、9月上旬に公表する考えを示した。
モロッコの事故についても公表時期を「来週の早い段階」とし、29日で調整している沖縄訪問で仲井真弘多知事に直接説明したい考えを示した。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-25_38176
オスプレイ:安全確認 来月上旬に終了
政治 2012年8月25日 09時47分
(45時間44分前に更新)
【東京】森本敏防衛相は24日の閣議後会見で、米軍が普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米フロリダ州での墜落事故について、9月上旬に日本独自の分析結果を公表する考えを示した。防衛省は週明けに公表するモロッコでの事故分析と併せ、フロリダでの事故分析公表をもって日米での安全性再確認とする考え。
同省幹部は再確認と同時期に日米合同委員会による日本国内での安全管理の枠組みを合意し、一時駐機先の岩国基地(山口県)での試験飛行に踏み切る見通しを明らかにした。
日米両政府は二つの墜落事故を受け、日米双方による安全性の再確認ができるまで日本国内での飛行を差し止める方針を合意していた。
防衛省は9月上旬に再確認で国内飛行の条件をクリアすると同時に、日米合同委で低空飛行訓練などの安全管理の枠組みを合意することで沖縄や山口県など関係自治体の理解を得たい考えだ。
米側は従来、岩国での試験飛行期間を1~2週間としており、試験飛行後は9月中に普天間に移動し、10月から本格運用する米軍の方針通り配備が進むとみられる。
同省幹部によると、米国防総省から同省に対するフロリダでの事故調査報告書の提供は米時間30日に予定されている。
森本氏は会見でフロリダの事故について「来週ワシントンで米側から説明を受け、(日本独自の)分析作業が1週間ほど行われる」と述べ、9月上旬に公表する考えを示した。
モロッコの事故についても公表時期を「来週の早い段階」とし、29日で調整している沖縄訪問で仲井真弘多知事に直接説明したい考えを示した。
Posted by 姥桜のかぐや姫 at
07:38
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